metro第11回公演 『陰獣』のプロモーション動画の制作

 

制作

元宝塚歌劇団月組の男役だった月船さららが2008年に出口結美子(引退)と旗揚げした演劇ユニット「métro」。
第11回公演 『陰獣』のプロモーション動画を制作しました。

制作期間:2週間〜1ヶ月
制作費用:〜10万円

 

metro第11回公演『陰獣 INTO THE DARKNESS』の概要

●出演者
サヘル・ローズ いわいのふ健 若松力 鴇巣直樹 久保井研 /月船さらら

●演出・脚本
天願大介

●原作
江戸川乱歩「陰獣」「化人幻戯」

●公演日程
2019/1/17(木)〜20(日)
・1月17日(木)19:30
・1月18日(金)14:00★
        19:30
・1月19日(土)13:00
        18:00★
・1月20日(日)12:00
        17:00★
★終演後、アフタートークイベントがあります

● 開演
開演の30分前

● 会場
赤坂RED/THEATER http://www.red-theater.net/category/1310121.html

●座席
全席指定席
※その他、公演についての詳細はこちらをご覧ください。
http://sarara.asia

●江戸川 乱歩と『陰獣』『化人幻戯』
本格探偵小説でデビューした乱歩は、案に相違して、エログロ怪奇の大家として有名になってしまった。自己嫌悪とスランプに苦しんだ乱歩は、新聞連載の『一寸法師』の出来に絶望し、もう作家を廃業しようと放浪の旅へ出た。 しかし一年後の昭和三年、『陰獣』が「新青年」に三回にわたって掲載される。エログロに加えて重層的な心理描写と巧妙な謎解きが大評判になり、乱歩は見事復活したのだった。『陰獣』を乱歩の最高傑作と評する者も多く、乱歩自身、中短篇ならば「陰獣」が一番よいと語っている。 乱歩は、もう一度『陰獣』のような小説を書きたいと願い、何度も試みた。『化人幻戯』(昭和二十九年)はその一つだ。トリックに無理があるため評価の低い作品だが、大詰めで明智小五郎と対峙するヒロインの告白は、今読んでもゾッとする画期的なもので、江戸川乱歩が凡庸な作家でなかったことがよくわかる。

●天願さんのコメント
十年前、思い詰めた二人の女優がmetroを立ち上げた。
その志に賛同し、作・演出で私も参加した。当然ヒロイン二人の台本でなければならず、綺麗ごとで終わっては彼女たちの評価が下がってしまう。
旗揚げ作品の「陰獣」は、江戸川乱歩の「陰獣」と「化人幻戯」のヒロインを裏表に縫い合わせたもので、詳しい人はおわかりだろうが、これはちょっと考えられない組み合わせだ。しかし、このアクロバットは成功した。女優二人が危険な領域に踏み込んで火花を散らし、濃厚な舞台になった。そこからmetroが始まる。

今思えばmetroの色合いもこの作品で決まったのだ。レトロ・モダン、エロ・グロ、アングラ好みにアクロバット趣向、「文学の芸能化」の萌芽さえ既に見える。今回、metroの原点である「陰獣」を十年ぶりに上演できることは大変嬉しい。

陰獣とは内なる獣、人間の心の奥に棲む怪物のことをいう。この怪物は自他の運命を狂わせ、悲劇を招く。なのに人を強く惹きつける魔力がある。乱歩はやはり傑出した作家で、物語の強さも人間の暗部を見透す視線も、未だ古びていない。同時に「陰獣」は「表現する」ことを残酷に問う物語でもあって、乱歩がそうであったように私自身も無傷ではいられないのだ。

女優の一人が引退してもmetroは続き、いつも金のない手作りの舞台だけど、それでも作品ごとに趣向を変えて勝負してきた。終わる度に傷だらけになり、生き残ったと感じる。これは悪くない。ギリギリの勝負がしたくて映画や演劇を作っているのだから。

この十年で日本も世界も激変した。しかし我々も同じ場所に座っているわけではない。

新しいキャスト、スタッフとともに、metro十年の闘いを経た、新しい「陰獣」をお見せしよう。

諸君、今度の劇場は赤坂だ。

 

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