客単価を上げる、まとめ買いと組み合わせの提案

客単価は、値上げではなく「1回の注文で買う量や組み合わせ」を変えることで上げられます。注文金額の分布を見て送料無料ラインを決め、一緒に使う商品をカートで提案し、セットやまとめ買いを用意すると、お客様の満足を下げずに客単価を上げられます。
売上を増やす方法というと、新しいお客様を集めることや、購入率を上げることが思い浮かびます。しかし、1回の注文あたりの金額(客単価)を上げることも、売上を伸ばす大切な方法です。
客単価は、値上げをしなくても上げられます。お客様が「ついでにこれも」と思える提案があれば、満足を下げずに1回の注文金額を増やせます。この記事では、客単価を上げる具体的な方法を、図と計算例で解説します。
- 客単価が売上に与える影響
- 注文金額の分布から、送料無料ラインを決める方法
- 一緒に買う商品・上位品の提案のしかた
- セットやまとめ買いのつくり方
客単価が上がると、売上はどう変わるか
ネットショップの売上は、訪問数 × 購入率 × 客単価で決まります。訪問数と購入率が同じなら、客単価が10%上がれば、売上も10%上がります。
※ 数字は計算の例です。
しかも、集客の費用は増えていません。同じ広告費で売上が増えるため、利益への効果は売上の伸び以上に大きくなることが多いのです。
注文金額の分布から、送料無料ラインを決める
最初に確かめたいのが、注文金額の分布です。カートの管理画面から注文金額を書き出し、金額の帯ごとに件数を数えます。
送料無料になる金額があると、その金額を少し超えるところに注文が集まります。お客様が送料を払わずに済むよう、もう1品を足すからです。
この性質を使って、送料無料ラインを今の平均の客単価より少し上に設定すると、多くのお客様が「あと1品」を足してくれるようになります。ただし、上げすぎると「届かない」と感じて注文自体が減ることがあるため、変えたあとは注文数も合わせて確かめます。
客単価を上げる3つの方法
客単価を上げる方法は、大きく「アップセル・クロスセル」と、送料無料ラインの設計に分けられます。
- 一緒に買う商品の提案(クロスセル)
- シャンプーとトリートメントのように、一緒に使う商品をすすめます。過去の注文で「一緒に買われていることが多い商品」を調べると、提案する組み合わせが見つかります。
- 上位品の提案(アップセル)
- 容量の大きいものや、機能が上の商品をすすめます。「1回あたりの価格」で比べられるようにすると、お得さが伝わりやすくなります。
- 送料無料ラインの表示
- カートの画面に「あと〇円で送料無料」と表示します。あわせて、その金額に近い商品を並べておくと、選びやすくなります。
提案は「売りたい商品」ではなく、「お客様が一緒に使うと便利な商品」から選ぶのが基本です。
セットとまとめ買いをつくる
最初からいくつかの商品を組み合わせたセットや、同じ商品をまとめて買うとお得になる形も効果的です。
| 形 | 例 | 向いている商品 |
|---|---|---|
| はじめてセット | 人気の3品を少しずつ試せるセット | 初めてのお客様が選びにくい商品 |
| 使い方セット | 本体と、一緒に使う道具のセット | 使い方が決まっている商品 |
| まとめ買い | 2個で5%、3個で10%お得 | 毎日使う消耗品 |
| 定期購入 | 決まった間隔で届き、毎回お得 | なくなると困る消耗品 |
セットをつくるときは、利益が残るかを必ず計算します。値引きの代わりに、送料無料や小さなおまけをつけるほうが、利益への影響を小さくできることもあります。
見直しの手順
- 注文金額の分布を出す
直近3か月ほどの注文を書き出し、金額の帯ごとの件数を数えます。
- 一緒に買われている商品を調べる
同じ注文に入っていることが多い商品の組み合わせを探します。
- 提案とセットを1つずつ試す
カートでの提案、送料無料ラインの表示、セットの順に、1つずつ試します。
- 客単価と購入率の両方を確かめる
客単価が上がっても、購入率が下がっていたら見直します。
ケースで見る:注文数を減らさずに、客単価を上げる
- 状況
- 客単価は5,800円ほどで、送料無料は5,000円以上。注文金額の分布を見ると、5,000〜6,000円に注文が集中していた。
- やったこと
- 送料無料ラインを6,500円に上げ、カートに「あと〇円で送料無料」と、一緒に買われることが多い商品を表示。人気の3品を試せるセットも用意した。変えるたびに、注文数と客単価の両方を確かめた。
- 結果
- 客単価は6,900円に上がり、注文数はほぼ同じ(約2%減)。売上は約17%増えた。
※ よくある状況をもとにした、説明のためのモデルケースです。実在の企業の事例ではありません。
まとめ
客単価は、値上げをしなくても、1回の注文で買う量や組み合わせを変えることで上げられます。注文金額の分布を見て送料無料ラインを決め、一緒に使う商品を提案し、セットを用意する。同じ集客の費用で売上を伸ばせる、効率の良い方法です。
- 注文金額の分布を確かめた
- 送料無料ラインを、分布を見て決めている
- カートに「あと〇円で送料無料」を表示している
- 一緒に使う商品を、商品ページとカートで提案している
- セットやまとめ買いの利益を計算している
客単価の改善や、商品の組み合わせの設計に取り組みたい場合は、EC事業戦略で、数字の分析から施策の実行までをご一緒します。