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客単価を上げる、まとめ買いと組み合わせの提案

この記事の結論

客単価は、値上げではなく「1回の注文で買う量や組み合わせ」を変えることで上げられます。注文金額の分布を見て送料無料ラインを決め、一緒に使う商品をカートで提案し、セットやまとめ買いを用意すると、お客様の満足を下げずに客単価を上げられます。

売上を増やす方法というと、新しいお客様を集めることや、購入率を上げることが思い浮かびます。しかし、1回の注文あたりの金額(客単価)を上げることも、売上を伸ばす大切な方法です。

客単価は、値上げをしなくても上げられます。お客様が「ついでにこれも」と思える提案があれば、満足を下げずに1回の注文金額を増やせます。この記事では、客単価を上げる具体的な方法を、図と計算例で解説します。

この記事で分かること
  • 客単価が売上に与える影響
  • 注文金額の分布から、送料無料ラインを決める方法
  • 一緒に買う商品・上位品の提案のしかた
  • セットやまとめ買いのつくり方

客単価が上がると、売上はどう変わるか

ネットショップの売上は、訪問数 × 購入率 × 客単価で決まります。訪問数と購入率が同じなら、客単価が10%上がれば、売上も10%上がります。

今の売上(注文500件 × 客単価6,000円)300万円
客単価が10%上がると(6,600円)× 1.1
売上330万円

※ 数字は計算の例です。

しかも、集客の費用は増えていません。同じ広告費で売上が増えるため、利益への効果は売上の伸び以上に大きくなることが多いのです。

注文金額の分布から、送料無料ラインを決める

最初に確かめたいのが、注文金額の分布です。カートの管理画面から注文金額を書き出し、金額の帯ごとに件数を数えます。

12%〜3千円18%3〜4千円9%4〜5千円30%5〜6千円14%6〜7千円8%7〜8千円9%8千円〜送料無料が5,000円以上の場合の、注文金額の分布(イメージ)
図1 送料無料が5,000円以上のお店では、5,000〜6,000円の注文が多くなる

送料無料になる金額があると、その金額を少し超えるところに注文が集まります。お客様が送料を払わずに済むよう、もう1品を足すからです。

この性質を使って、送料無料ラインを今の平均の客単価より少し上に設定すると、多くのお客様が「あと1品」を足してくれるようになります。ただし、上げすぎると「届かない」と感じて注文自体が減ることがあるため、変えたあとは注文数も合わせて確かめます。

客単価を上げる3つの方法

客単価を上げる方法は、大きく「アップセル・クロスセル」と、送料無料ラインの設計に分けられます。

一緒に買う提案一緒に使う商品をカートや商品ページでクロスセル上位品の提案容量や機能が一つ上の商品をすすめるアップセル送料無料ラインあと少しで無料になることを伝えるあと〇円で送料無料
図2 客単価を上げる3つの方法

提案は「売りたい商品」ではなく、「お客様が一緒に使うと便利な商品」から選ぶのが基本です。

セットとまとめ買いをつくる

最初からいくつかの商品を組み合わせたセットや、同じ商品をまとめて買うとお得になる形も効果的です。

形例向いている商品
はじめてセット人気の3品を少しずつ試せるセット初めてのお客様が選びにくい商品
使い方セット本体と、一緒に使う道具のセット使い方が決まっている商品
まとめ買い2個で5%、3個で10%お得毎日使う消耗品
定期購入決まった間隔で届き、毎回お得なくなると困る消耗品

セットをつくるときは、利益が残るかを必ず計算します。値引きの代わりに、送料無料や小さなおまけをつけるほうが、利益への影響を小さくできることもあります。

見直しの手順

  1. 注文金額の分布を出す

    直近3か月ほどの注文を書き出し、金額の帯ごとの件数を数えます。

  2. 一緒に買われている商品を調べる

    同じ注文に入っていることが多い商品の組み合わせを探します。

  3. 提案とセットを1つずつ試す

    カートでの提案、送料無料ラインの表示、セットの順に、1つずつ試します。

  4. 客単価と購入率の両方を確かめる

    客単価が上がっても、購入率が下がっていたら見直します。

ケースで見る:注文数を減らさずに、客単価を上げる

CASE食品のネットショップ
状況
客単価は5,800円ほどで、送料無料は5,000円以上。注文金額の分布を見ると、5,000〜6,000円に注文が集中していた。
やったこと
送料無料ラインを6,500円に上げ、カートに「あと〇円で送料無料」と、一緒に買われることが多い商品を表示。人気の3品を試せるセットも用意した。変えるたびに、注文数と客単価の両方を確かめた。
結果
客単価は6,900円に上がり、注文数はほぼ同じ(約2%減)。売上は約17%増えた。

※ よくある状況をもとにした、説明のためのモデルケースです。実在の企業の事例ではありません。

5,800円見直し前6,300円送料無料ラインを変更6,600円カートで提案6,900円セットを追加客単価の変化(モデルケース)
図3 見直しを1つずつ加えたときの客単価

まとめ

客単価は、値上げをしなくても、1回の注文で買う量や組み合わせを変えることで上げられます。注文金額の分布を見て送料無料ラインを決め、一緒に使う商品を提案し、セットを用意する。同じ集客の費用で売上を伸ばせる、効率の良い方法です。

客単価のチェックリスト
  • 注文金額の分布を確かめた
  • 送料無料ラインを、分布を見て決めている
  • カートに「あと〇円で送料無料」を表示している
  • 一緒に使う商品を、商品ページとカートで提案している
  • セットやまとめ買いの利益を計算している

客単価の改善や、商品の組み合わせの設計に取り組みたい場合は、EC事業戦略で、数字の分析から施策の実行までをご一緒します。

よくある質問

Q送料無料ラインを上げると、注文が減りませんか?
上げすぎると減ることがあります。今の注文金額の分布を見て、多くの注文が集まっている金額の少し上に設定するのが目安です。変えたあとは、注文数と客単価の両方を確かめます。
Q一緒に買う商品の提案は、どこに表示すればいいですか?
商品ページの下とカートの画面がよく使われます。カートの画面では、すでに買う気持ちが固まっているため、低価格で一緒に使う商品が選ばれやすくなります。
Q値引きをして、まとめ買いを増やしてもいいですか?
構いませんが、利益が残るかを先に計算します。値引きより、送料無料やおまけなど、お客様にとってうれしく、利益への影響が小さい特典から試すのがおすすめです。
Q客単価と購入率は、どちらを先に上げるべきですか?
売上を4つに分けて、前年と比べて落ちているほうから手をつけます。客単価を上げる施策は、購入率を下げていないかも合わせて確かめます。
この記事のテーマのサービスEC事業戦略 →訪問数×購入率×客単価×リピートで、売上の詰まりを突き止めます。
この記事を書いた人
佐保 祐大ガレージファクトリー合同会社 代表社員

上場企業で15年以上、SEO・EC・マーケティングの現場を担当。プロフィール →

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