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地方の美容室集客にSNSは効果ある?|フォロワーより効いた、口コミ・地域の紙・LINEの再来店

この記事の結論

地方の美容室では、SNSのフォロワーが「通える人」になりにくく、新しいお客様の入口としては弱くなります。新規はGoogleマップの口コミと地域のチラシ・フリーペーパーで知ってもらい、来た人をLINEで2回目・3回目につなげると、予約サイトのクーポンに頼らずに常連を増やせます。SNSはやめずに、来店前の「確認と後押し」の場所として無理のない量で続けます。

「Instagramを毎日更新して、フォロワーも増えてきた。でも、それを見て来てくれたお客様はほとんどいない」。地方の美容室のオーナーから、よく聞く悩みです。

東京や大阪では、お店だけでなく美容師一人ひとりがアカウントを持ち、ビフォーアフターやお手入れの方法を載せてフォロワーを集め、そのまま指名の予約につなげる形がすっかり定着しました。ところが地方で同じことをしても、なかなか同じ結果にはなりません。

では、地方の美容室の集客は何がいちばん効くのか。SNSは本当に意味がないのか。地方のサロンの集客をお手伝いしてきた中で、Webに限らず実際に予約が増えたことと、思ったほど効かなかったことをもとにまとめます。

この記事で分かること
  • 都市ではSNSで指名が取れるのに、地方では来店につながりにくい理由
  • 地方の美容室で効果が出た3つの集客(Googleマップの口コミ・地域のチラシとフリーペーパー・LINEの再来店)
  • 予約サイトのクーポン集客との付き合い方と、費用の比べ方
  • 明日から始められる90日の進め方とチェックリスト

結論:SNSは「入口」ではなく「確認と後押し」に使う

  1. 01新しいお客様の入口

    Googleマップの口コミと、地域のチラシ・フリーペーパー。「近くにある、評判のいいお店」として見つけてもらいます。

  2. 02常連づくり

    LINEの再来店の案内。2回目・3回目につなげて、売上の土台をつくります。

  3. 03SNSの役目

    来る前の「どんなお店かな」の確認と、通っている人とのつながり。入口の主役にはしません。

SNSに効果がないわけではありません。都市と地方では、SNSの役目が違うのです。

なぜ地方ではSNSが来店につながりにくいのか

都市(東京・大阪)地方見ている人通える範囲に、たくさんの人フォロワーは県外・同業者が多い選ぶ理由「この人に切ってほしい」近さ・駐車場・評判・知人の紹介SNSの役目新しいお客様の入口来る前の「確認」と後押し
図1 都市と地方では、お店の選ばれ方とSNSの役目が違う
  • フォロワーが「通える人」ではないビフォーアフターやアレンジの投稿は、全国に届きます。地方のサロンの場合、増えたフォロワーの多くは県外の人や同業の美容師です。都市なら、見てくれた人のうち通える範囲の人だけでも十分な数になりますが、地方では通える範囲に住む人がそもそも少なく、フォロワー数が予約数に変わりません。
  • 選ばれる理由が「人」より「近さと評判」都市では「この美容師に切ってほしい」と電車で30分かけて通う人も珍しくありません。地方では車での移動が中心で、「家や職場から近いか」「駐車場があるか」「知り合いが通っていて評判がいいか」が先に来ます。
  • 投稿の手間が、ほかの施策の時間を奪う少ない人数で回しているサロンほど、撮影・編集・投稿の時間は重くなります。予約につながりにくいことに毎日1時間使うより、口コミやLINEに時間を回したほうが、売上には早く効きます。

ただし、Instagramは「見つけてもらう場所」としては弱くても、「見つけた人が確かめに来る場所」としては今も大事です。Googleマップやチラシでお店を知った人の多くは、次にInstagramで雰囲気や仕上がりを確かめます。更新が何か月も止まっていると、それだけで不安を与えてしまいます。

地方の美容室で効いた集客の流れ

予約が増えたサロンに共通していたのは、1つの施策に頼らず、「知る」「調べる」「来る」「また来る」のそれぞれに担当の施策を置いたことでした。

1知るチラシ・地域の紙2調べるマップの口コミ3来るその場でLINE登録4また来るLINEでお知らせInstagramは ②〜④ の「確認と後押し」。入口の主役にはしない
図2 地方の美容室で効いた集客の流れ。段階ごとに担当の施策を決める

お客様の段階ごとに手段を使い分ける考え方は、検索・SNS・広告の役割分担でも解説しています。ここからは、3つの施策を順に見ていきます。

施策1 Googleマップの口コミ:地方でいちばん強い入口

地方で「美容室」と検索すると、多くの場合、検索結果の上のほうにGoogleマップの地図と近くのお店が並びます。そこで比べられるのは、距離、口コミの数と評価、写真、営業時間です。お金をかけずに、いちばん多くの人の目に触れる場所がGoogleマップです。

  1. Googleビジネスプロフィールを整える

    営業時間・定休日・駐車場の有無と台数・メニューと料金・店内と仕上がりの写真をそろえます。地方では駐車場が選ぶ理由そのものなので、台数まで書きます。

  2. お会計のときに、全員に同じようにお願いする

    口コミの投稿ページにつながるQRコードのカードを渡し、「よろしければ、後でご感想をいただけるとうれしいです」と一言添えます。満足していそうな人だけを選ばず、書くかどうかはお客様に任せます。

  3. すべての口コミに返信する

    良い口コミにも厳しい口コミにも、なるべく早く、ていねいに返します。返信は、これからお店を選ぶ人も読んでいます。

  4. 写真を月に数枚ずつ足す

    季節のスタイルや店内の様子を追加すると、「今ちゃんと営業しているお店」に見えます。Instagramに載せた写真を使ってかまいません。

口コミのお願いには、守るべきルールがあります。Googleは、口コミの投稿と引き換えに割引や無料サービスなどを提供すること、好意的な口コミだけを選んで頼むこと、お客様にその場で書くよう求めること、スタッフに口コミの数のノルマを課すことを禁止しています。従業員など利害関係のある人による投稿も認められていません。

  • 特典「口コミを書いたら次回10%オフ」のような見返りは付けない。
  • 選別常連や満足していそうな人だけに頼まない。全員に同じ案内をする。
  • 強要目の前で書いてもらう、書くまで待つ、といった頼み方をしない。
  • 身内スタッフや知人に「お客様のふり」で書いてもらわない。

違反と判断されると、口コミの削除のほか、新しい口コミを一定期間受け付けられなくなる、虚偽の口コミを削除したことを知らせる警告がお店のページに表示される、といった制限を受けることがあります。また、お店が頼んで書かせた口コミを、お店の宣伝と分からない形で載せることは、2023年10月1日から景品表示法で禁止されたステルスマーケティングに当たるおそれがあります。

出典:Google「禁止または制限されているコンテンツ(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)」、Google「ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限」、消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制」

Googleマップでの見つけてもらい方は、検索で上に出るための考え方ともつながっています。Webサイト全体で何から手をつけるかは、SEOの優先順位で整理しています。

施策2 地域のチラシ・フリーペーパー:地方では紙がまだ強い

都市では「もう紙の時代ではない」と言われがちですが、地方では今も、ポストに入ったチラシや、スーパー・コンビニに置かれたフリーペーパーをきちんと見る人が多くいます。SNSをあまり見ない世代や、引っ越してきたばかりで地域のお店を知らない人に届きやすいのが強みです。

  1. 配る範囲を絞るお店から車で10分ほどの範囲に集中させます。広く薄く配るより、同じ地域に繰り返し届くほうが覚えてもらえます。
  2. 「誰のためのお店か」を1つに決める「白髪ぼかしが得意」「子ども連れでも安心」「髪の傷みの相談ができる」など、1枚で伝えることは1つに絞ります。
  3. QRコードを2つ置く1つはGoogleマップ(口コミを見て安心してもらう)、もう1つはLINE(予約や問い合わせ)。紙で知った人を、口コミで安心させ、LINEでつなぐ流れにします。
  4. 初回だけの大幅な値引きにしない大きな値引きは、値引き目当ての人を集めがちです。「2回目もお得」「平日はトリートメント付き」など、続けて通う理由になる特典にします。
  5. どこから来たかを数えるチラシごと、フリーペーパーごとに特典の合言葉やQRコードを変えておくと、どれが効いたかが分かります。

ポスティングは、「チラシお断り」の表示があるお宅には入れないようにします。苦情はそのままお店の評判になります。配布を業者に頼む場合も、この点を確かめておきます。

施策3 LINEの再来店:売上を支えるのは2回目・3回目

新しいお客様を1人呼ぶには、広告費も手間もかかります。一度来てくれた人にもう一度来てもらうほうが、ずっと少ない力で済みます。地方は通える範囲の人数が限られている分、常連の多さがそのままお店の強さになります。2回目に来てくれる割合(F2転換率)の考え方は、2回目の購入につなげる方法でも解説しています。

  1. 来店したときに、その場で登録してもらう

    お会計のときに「次回のご予約やお知らせはLINEでお送りしています」と案内し、その場で友だち追加してもらいます。「後で」では、登録はまず増えません。

  2. メニューごとの周期でお知らせする

    カット、カラー、パーマなど、前回のメニューに合わせて「そろそろいかがですか」と1通だけ送ります。周期はお店のお客様の実際の来店間隔から決めます。全員に同じ内容を一斉に送るより、反応がはっきり変わります。

  3. 送りすぎない

    キャンペーンのたびに送ると、ブロックされてしまいます。月1〜2通を目安に、その人に関係のあるお知らせだけにします。

  4. 紹介につなげる

    常連のお客様に紹介カードを渡し、紹介した人とされた人の両方にうれしい特典を用意します。地方では「知り合いが通っている」が最も強い決め手です。

LINE公式アカウントは無料のプランから始められます。ただし無料で送れるメッセージは月200通までで、それを超えて送るには有料のプランが必要です(2026年10月時点)。料金は変わることがあるので、始める前に公式の案内で確かめてください。出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」

予約サイトのクーポン集客と、どう付き合うか

ホットペッパービューティーのような予約サイトは、新しいお客様が来やすいのは確かです。ただ、お手伝いしてきた地方のサロンでは、掲載の費用が高いわりに、初回のクーポン目当てで来て、2回目には来ない人が多いという悩みがよくありました。

先に固めるLINEの再来店マップの口コミ紹介カード反応を見て続ける近所へのチラシ地域のフリーペーパー手間に注意Instagram(時間がかかる)頼りすぎない予約サイトのクーポンお金のかかり方(右ほど高い)常連になりやすさ
図3 集客の方法を、お金のかかり方と常連になりやすさで分ける(地方の小さなサロンでの目安)
方法お金のかかり方来る人常連になりやすさ
予約サイトのクーポン掲載料が毎月かかる初回の割引目当ての人が多い低め
Googleマップの口コミほぼ無料(手間のみ)近所でお店を探している人高め
チラシ・フリーペーパー印刷・配布・掲載のたびにかかる地域に住む幅広い年代の人中くらい
LINEの再来店無料のプランから一度来てくれた人高い
Instagram無料(時間が多くかかる)県外の人・同業者が多い新規の入口としては低め

予約サイトの費用は、「何人来たか」ではなく「何人が2回目に来たか」で割って比べると、本当の重さが見えてきます。

掲載料(1か月)5万円
新しく来たお客様÷ 10人
1人を呼ぶのにかかった費用= 5,000円
そのうち2回目も来た人2人
常連1人をつくるのにかかった費用= 25,000円

※ 計算のしくみを説明するための数字です。初回は大きく割り引いていることが多いため、1回目の売上では費用をほとんど取り戻せません。

予約サイトをやめるべき、という話ではありません。開業したばかりで知ってもらう手段がほかにない時期や、空き時間を埋めたいときには役に立ちます。大事なのは、予約サイトで来た人にLINEへ登録してもらい、自分のお店の常連に切り替えること。そして、口コミやチラシが育ってきたら、掲載プランを少しずつ小さくしていくことです。

SNSは、やめずに「やり方」を変える

これまで

フォロワーを増やすために、全国向けの投稿を毎日続ける

見ているのは県外の人や同業者で、予約は増えない
これから

週2〜3回、地元のお客様が「来る前に知りたいこと」を載せる

仕上がり、店内、駐車場。プロフィールにマップとLINEへのリンク

効果は、フォロワー数ではなく「Instagramを見て来た」「見て安心した」と言われた数で判断します。プロフィールからLINEや予約への道のつくり方は、Instagramから問い合わせにつなげる導線で詳しく解説しています。お客様の写真を載せるときは、必ずご本人の許可をもらいましょう。地方は人のつながりが近いので、顔が分かる写真は特にていねいに扱います。

明日から始める90日の進め方

  1. 1週目:土台を整える

    Googleビジネスプロフィールの営業時間・駐車場・メニュー・写真を整える。口コミ用のQRカードと、LINE登録の案内をレジに置く。

  2. 2〜4週目:声かけを習慣にする

    お会計のときの口コミのお願いとLINE登録の案内を、スタッフ全員で同じ言い方にそろえる(数のノルマは決めない)。届いた口コミにはすべて返信する。

  3. 2か月目:地域の紙で知ってもらう

    「誰のためのお店か」を1つに決めて近所にチラシを配る。地域のフリーペーパーにも載せ、合言葉で反応を数える。

  4. 3か月目:2回目につなぐ

    LINEで、メニューごとの周期に合わせた再来店のお知らせを始める。常連のお客様に紹介カードを渡す。

  5. 90日後:数字で見直す

    「新しいお客様がどこから来たか」と「2回目に来た割合」を見直し、効いた施策にお金と時間を寄せる。予約サイトの掲載プランもここで見直す。

ケースで見る:クーポン頼みから、地域の口コミとLINEへ

CASE地方の町の、スタッフ3人の美容室
状況
Instagramを毎日更新してフォロワーは数千人まで増えたが、多くは県外の人や同業者。新しいお客様は予約サイトのクーポン頼みで、掲載料が負担なのに、2回目に来る人は2割ほどだった。
やったこと
最初の3か月はGoogleマップを整え、お会計のときに全員へ口コミをお願いし、すべてに返信。次の3か月で「白髪ぼかしの相談」を打ち出したチラシを近所に配り、地域のフリーペーパーにも掲載。来店時のLINE登録と、メニューごとの再来店のお知らせ、紹介カードを始めた。Instagramは週2回にして、仕上がりと店内・駐車場の写真に絞った。
結果
1年後、「マップを見て」来るお客様が予約サイト経由を上回り、2回目に来る人は4割ほどに。予約サイトの掲載プランを小さくしても、売上は下がらなかった。Instagramは「来る前に見て安心した」と言われる場所になった。

※ よくある状況をもとにした、説明のためのモデルケースです。実在の企業・店舗の事例ではありません。

1〜3か月目口コミの土台マップを整え全員にお願い4〜6か月目地域の紙で知る近所にチラシフリーペーパー7か月目〜2回目につなぐLINEで案内紹介カード※ 説明のためのモデルケースです
図4 モデルケースの進め方

まとめ

地方の美容室では、SNSのフォロワーが「通える人」になりにくく、新しいお客様の入口としては弱くなります。効いたのは、Googleマップの口コミ(調べる)、地域のチラシ・フリーペーパー(知る)、LINEの再来店(また来る)の組み合わせでした。予約サイトは「何人来たか」ではなく「何人が2回目に来たか」で比べ、来た人をLINEで自分のお店の常連に切り替えます。SNSはやめずに、来る前の「確認と後押し」の場所として、無理のない量で続けましょう。

地方サロンの集客チェックリスト
  • Googleマップに営業時間・定休日・駐車場・メニューと料金・写真がそろっている
  • 口コミのお願いは、特典なし・全員に同じように・書くかは自由、で行っている
  • すべての口コミに返信している
  • チラシ・フリーペーパーで伝えることを1つに絞り、マップとLINEのQRコードを入れている
  • 媒体ごとに合言葉やQRコードを変えて、反応を数えている
  • 来店したときに、その場でLINE登録をお願いしている
  • LINEのお知らせはメニューの周期に合わせ、月1〜2通に抑えている
  • 「新しいお客様の人数」だけでなく「2回目に来た割合」を毎月見ている
  • Instagramのプロフィールに、マップとLINEへのリンクがある

まず今の状態を確かめたい場合は、Web集客セルフ診断をお使いください。Googleマップや口コミ、Webサイトを見てほしい場合は、無料ミニ診断も受け付けています。Googleマップの整え方から地域の紙、LINEの再来店の仕組みまで、Webに限らない集客の設計は、SNS・広告・マーケ戦略で、担当者がお店の状況をうかがいながらご一緒します。

よくある質問

QInstagramはもうやめてもいいですか?
やめるのはおすすめしません。Googleマップやチラシでお店を知った人が、雰囲気や仕上がりを確かめに見に来る場所だからです。毎日の更新は必要ないので、週2〜3回、地元のお客様の仕上がりや店内・駐車場など「来る前に知りたいこと」を中心に続けます。
Q口コミを増やすために、割引を付けてもいいですか?
付けてはいけません。口コミの投稿と引き換えに割引や無料サービスなどを提供することは、Googleのポリシーで禁止されています。違反すると口コミの削除や、新しい口コミを受け付けられなくなる制限を受けることがあります。特典は付けず、全員に同じように、書くかどうかは自由という形でお願いします。
Qチラシとフリーペーパー、どちらを先にやるべきですか?
まずは近所へのチラシがおすすめです。配る範囲を自分で決められ、合言葉で反応も数えやすいからです。反応の良かった打ち出し方が分かってから、より広く届くフリーペーパーに載せると、掲載費をむだにしにくくなります。
Q予約サイトの掲載はやめたほうがいいですか?
すぐにやめる必要はありません。開業したばかりの時期や、空いている時間を埋めたいときには役に立ちます。まずは予約サイトで来た人にLINEへの登録をお願いし、2回目に来た割合を見ます。口コミやチラシからの新規が増えてきたら、掲載プランを少しずつ小さくするのが安全です。
この記事のテーマのサービスSNS・広告・マーケ戦略 →検索、SNS、広告の役割を決め、予算の使い道を設計します。
この記事を書いた人
佐保 祐大ガレージファクトリー合同会社 代表社員

上場企業で15年以上、SEO・EC・マーケティングの現場を担当。プロフィール →

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