広告の数字の見方、CPAとROASの使い分け

広告の数字は、表示からクリック、購入、売上へとつながっています。1件を獲得する費用(CPA)だけで判断すると、客単価の低い広告を選んでしまうことがあります。客単価がそろっていればCPA、商品によって客単価が違うならROASで比べ、利益から逆算した目標と照らし合わせて判断します。
広告の管理画面を開くと、CTR、CPC、CVR、CPA、ROASなど、たくさんの数字が並んでいます。どれを見て判断すればいいのか、迷っていませんか。
広告の数字は、ばらばらに見るのではなく、どうつながっているかを知ると読みやすくなります。この記事では、広告の数字のつながりと、よく使われるCPAとROASの使い分けを、図と計算例で解説します。
- 広告の主な数字の意味と、つながり
- CPAだけで判断すると失敗する理由
- CPAとROASの使い分け
- 利益から逆算した、目標の決め方
広告の数字は、つながっている
広告は、表示され、クリックされ、購入につながり、売上になります。管理画面に並ぶ数字は、この流れのどこかを表しています。
| 数字 | 意味 | 計算 |
|---|---|---|
| CTR(クリック率) | 表示されたうち、クリックされた割合 | クリック ÷ 表示 |
| CPC(クリック単価) | 1回のクリックにかかった費用 | 広告費 ÷ クリック |
| CVR(購入率) | クリックした人のうち、購入した割合 | 購入 ÷ クリック |
| CPA(獲得単価) | 1件の購入にかかった費用 | 広告費 ÷ 購入 |
| ROAS(広告費の回収率) | 広告費に対して、どれだけ売上があったか | 売上 ÷ 広告費 |
数字が悪いときは、この流れのどこで止まっているかを見ます。CTRが低ければ広告の言葉や画像、CVRが低ければクリックした先のページに原因があると考えられます。
CPAだけで判断すると、失敗することがある
広告の成果を測るとき、よく使われるのがCPA(1件の購入にかかった費用)です。CPAが低いほど、効率よくお客様を獲得できていることになります。
ところが、CPAだけで比べると、判断を誤ることがあります。次の2つの広告を比べてみましょう。
広告AはCPAが3,000円で、広告Bの半分です。CPAだけを見れば、広告Aのほうが優れているように見えます。しかし、広告Aから来たお客様の客単価は4,000円、広告Bは15,000円です。広告費に対する売上(ROAS)で比べると、広告Bのほうが、広告費をずっと多く回収できています。
利益で見ると、差はさらにはっきりします。利益率が40%の場合、広告Aは1件あたりの利益1,600円に対して広告費が3,000円かかり、売れるほど赤字です。広告Bは利益6,000円に対して広告費6,000円で、ちょうど回収できています。
CPAとROASの使い分け
- CPAで判断するとき
- 商品やサービスの価格がほぼ同じとき。問い合わせや資料請求など、1件あたりの価値がそろっているとき。
- ROASで判断するとき
- 商品によって価格が大きく違うネットショップ。広告によって、買われる商品や客単価が違うとき。
迷ったら、両方を並べて見ます。CPAが良くてもROASが低い広告は、安い商品ばかり売れている可能性があります。
利益から逆算して、目標を決める
CPAやROASの目標は、なんとなく決めるのではなく、利益から逆算します。
※ 数字は計算の例です。CPAがこの上限を超えると、1回目の購入だけでは赤字になります。
リピートが多い商品では、2回目以降の購入の利益も含めて、CPAの上限を高めに設定することもあります。その場合は、お客様1人あたりの売上(LTV)を確かめたうえで決めます。リピートの考え方は、定期購入の継続率を上げるで解説しています。
広告の数字を見る手順
- 目標のCPA・ROASを決める
利益から逆算して、上限のCPAと、最低限必要なROASを決めます。
- 広告ごとに、CPAとROASを並べる
キャンペーンや広告ごとに、2つの数字を並べて比べます。
- 目標に届かない広告は、流れのどこで止まっているかを見る
CTR・CVR・客単価のどれが低いかを確かめます。
- 目標を超えている広告に、予算を寄せる
期間を決めて、効いている広告に予算を移します。
ケースで見る:広告を4つに分けて、予算を組み替える
- 状況
- 5本の広告を、CPAの安い順に評価していた。全体のROASは210%ほどで、利益が残っているのかがはっきりしなかった。
- やったこと
- 5本の広告をCPAとROASで4つの区分に分けた(下の図)。左上の2本は予算を増やし、右上の1本は利益を確かめたうえで続け、左下の1本はセット商品を見せる形に変え、右下の1本は止めた。
- 結果
- 広告費は同じまま、全体のROASは約290%に。安い商品ばかり売れていた広告をCPAだけで評価していたことが、ROASを下げていた。
※ よくある状況をもとにした、説明のためのモデルケースです。実在の企業の事例ではありません。
まとめ
広告の数字は、表示から売上までのつながりで見ると読みやすくなります。CPAだけで判断せず、客単価の違いがあるときはROASも合わせて見る。そして、利益から逆算した目標と照らし合わせて判断する。それだけで、広告費のムダは大きく減らせます。
- 利益から、CPAの上限とROASの目標を計算している
- 広告ごとに、CPAとROASの両方を見ている
- 新しいお客様とリピートのお客様の広告を分けている
- 購入が十分にたまってから判断している
- 管理画面とカートの数字の違いを把握している
広告の数字の読み方や、予算の配分に迷っている場合は、SNS・広告・マーケ戦略で、目標の設計から運用の改善までをご一緒します。