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広告の数字の見方、CPAとROASの使い分け

この記事の結論

広告の数字は、表示からクリック、購入、売上へとつながっています。1件を獲得する費用(CPA)だけで判断すると、客単価の低い広告を選んでしまうことがあります。客単価がそろっていればCPA、商品によって客単価が違うならROASで比べ、利益から逆算した目標と照らし合わせて判断します。

広告の管理画面を開くと、CTR、CPC、CVR、CPA、ROASなど、たくさんの数字が並んでいます。どれを見て判断すればいいのか、迷っていませんか。

広告の数字は、ばらばらに見るのではなく、どうつながっているかを知ると読みやすくなります。この記事では、広告の数字のつながりと、よく使われるCPAとROASの使い分けを、図と計算例で解説します。

この記事で分かること
  • 広告の主な数字の意味と、つながり
  • CPAだけで判断すると失敗する理由
  • CPAとROASの使い分け
  • 利益から逆算した、目標の決め方

広告の数字は、つながっている

広告は、表示され、クリックされ、購入につながり、売上になります。管理画面に並ぶ数字は、この流れのどこかを表しています。

表示10,000回クリック200回購入4件売上6万円CTR 2%クリック ÷ 表示CVR 2%購入 ÷ クリック広告費 2万円のときCPC100円広告費 ÷ クリックCPA5,000円広告費 ÷ 購入ROAS300%売上 ÷ 広告費
図1 広告の数字のつながり(数字は計算の例)
数字意味計算
CTR(クリック率)表示されたうち、クリックされた割合クリック ÷ 表示
CPC(クリック単価)1回のクリックにかかった費用広告費 ÷ クリック
CVR(購入率)クリックした人のうち、購入した割合購入 ÷ クリック
CPA(獲得単価)1件の購入にかかった費用広告費 ÷ 購入
ROAS(広告費の回収率)広告費に対して、どれだけ売上があったか売上 ÷ 広告費

数字が悪いときは、この流れのどこで止まっているかを見ます。CTRが低ければ広告の言葉や画像、CVRが低ければクリックした先のページに原因があると考えられます。

CPAだけで判断すると、失敗することがある

広告の成果を測るとき、よく使われるのがCPA(1件の購入にかかった費用)です。CPAが低いほど、効率よくお客様を獲得できていることになります。

ところが、CPAだけで比べると、判断を誤ることがあります。次の2つの広告を比べてみましょう。

広告ACPA(1件の獲得費用)3,000円客単価4,000円ROAS(費用の回収)133%CPAは安いが、売上が小さい広告BCPA(1件の獲得費用)6,000円客単価15,000円ROAS(費用の回収)250%CPAは高いが、広告費をより回収
図2 CPAが安い広告Aより、CPAが高い広告Bのほうが売上を回収できている

広告AはCPAが3,000円で、広告Bの半分です。CPAだけを見れば、広告Aのほうが優れているように見えます。しかし、広告Aから来たお客様の客単価は4,000円、広告Bは15,000円です。広告費に対する売上(ROAS)で比べると、広告Bのほうが、広告費をずっと多く回収できています。

利益で見ると、差はさらにはっきりします。利益率が40%の場合、広告Aは1件あたりの利益1,600円に対して広告費が3,000円かかり、売れるほど赤字です。広告Bは利益6,000円に対して広告費6,000円で、ちょうど回収できています。

CPAとROASの使い分け

迷ったら、両方を並べて見ます。CPAが良くてもROASが低い広告は、安い商品ばかり売れている可能性があります。

利益から逆算して、目標を決める

CPAやROASの目標は、なんとなく決めるのではなく、利益から逆算します。

客単価10,000円
利益率(原価や送料を引いた割合)× 40%
1件あたりの利益(=CPAの上限)= 4,000円
必要なROAS(10,000円 ÷ 4,000円)250%以上

※ 数字は計算の例です。CPAがこの上限を超えると、1回目の購入だけでは赤字になります。

リピートが多い商品では、2回目以降の購入の利益も含めて、CPAの上限を高めに設定することもあります。その場合は、お客様1人あたりの売上(LTV)を確かめたうえで決めます。リピートの考え方は、定期購入の継続率を上げるで解説しています。

広告の数字を見る手順

  1. 目標のCPA・ROASを決める

    利益から逆算して、上限のCPAと、最低限必要なROASを決めます。

  2. 広告ごとに、CPAとROASを並べる

    キャンペーンや広告ごとに、2つの数字を並べて比べます。

  3. 目標に届かない広告は、流れのどこで止まっているかを見る

    CTR・CVR・客単価のどれが低いかを確かめます。

  4. 目標を超えている広告に、予算を寄せる

    期間を決めて、効いている広告に予算を移します。

ケースで見る:広告を4つに分けて、予算を組み替える

CASEアウトドア用品のネットショップ
状況
5本の広告を、CPAの安い順に評価していた。全体のROASは210%ほどで、利益が残っているのかがはっきりしなかった。
やったこと
5本の広告をCPAとROASで4つの区分に分けた(下の図)。左上の2本は予算を増やし、右上の1本は利益を確かめたうえで続け、左下の1本はセット商品を見せる形に変え、右下の1本は止めた。
結果
広告費は同じまま、全体のROASは約290%に。安い商品ばかり売れていた広告をCPAだけで評価していたことが、ROASを下げていた。

※ よくある状況をもとにした、説明のためのモデルケースです。実在の企業の事例ではありません。

予算を増やすCPA 低・ROAS 高利益を確かめて続けるCPA 高・ROAS 高客単価を上げる工夫CPA 低・ROAS 低止める・見直すCPA 高・ROAS 低CPA(右ほど高い)ROAS(上ほど高い)
図3 CPAとROASで、広告を4つに分ける

まとめ

広告の数字は、表示から売上までのつながりで見ると読みやすくなります。CPAだけで判断せず、客単価の違いがあるときはROASも合わせて見る。そして、利益から逆算した目標と照らし合わせて判断する。それだけで、広告費のムダは大きく減らせます。

広告の数字のチェックリスト
  • 利益から、CPAの上限とROASの目標を計算している
  • 広告ごとに、CPAとROASの両方を見ている
  • 新しいお客様とリピートのお客様の広告を分けている
  • 購入が十分にたまってから判断している
  • 管理画面とカートの数字の違いを把握している

広告の数字の読み方や、予算の配分に迷っている場合は、SNS・広告・マーケ戦略で、目標の設計から運用の改善までをご一緒します。

よくある質問

QROASは何%あれば、利益が出ていますか?
利益率によって変わります。たとえば利益率が40%なら、ROASが250%(広告費の2.5倍の売上)でようやく広告費と利益が同じになります。自社の利益率から、最低限必要なROASを計算しておきます。
Q広告の数字は、どのくらいの期間で判断すればいいですか?
少なくとも1〜2週間、できれば購入が数十件たまるまで待ってから判断します。数件の購入で判断すると、たまたまの結果に振り回されます。
Q管理画面のCPAと、実際の数字が合いません。なぜですか?
広告の管理画面は、広告を見たあとで別の経路から購入した人も成果に数えることがあります。カートの管理画面やGoogleアナリティクスの数字と比べ、どの数え方で判断するかを決めておきます。
Q新しいお客様の獲得と、リピートのお客様の広告は分けるべきですか?
分けるのがおすすめです。リピートのお客様は買いやすいため、まとめて見るとCPAが実際より良く見えてしまいます。
この記事のテーマのサービスSNS・広告・マーケ戦略 →検索、SNS、広告の役割を決め、予算の使い道を設計します。
この記事を書いた人
佐保 祐大ガレージファクトリー合同会社 代表社員

上場企業で15年以上、SEO・EC・マーケティングの現場を担当。プロフィール →

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